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第42話 ここはどこ? ~マリーサイド~

ผู้เขียน: 光命
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-04-18 20:18:18

『……さま……ねぇ……さ……』

『ねえさま……どこ?』

ゼドっちにこの兜に封印されたのはどのくらい前だったかな。

誰かに拾われたり、捨てられたりして、あちこちに行ったけど、ねえさまは見つからない。

ねえさまも同じようにゼドっちにされたのかな。

でもゼドっちのやつ、なんでこんなことをしたんだろう。

あの時のことを思い出すとムカつく。

もーっ。

ねえさまが大変だからって言ったからついていったのにさ。

それが罠だったなんて。

ゼドっちのやつー。

プンプン。

あれから、あちこち放浪して、今はどこかの倉庫の中にいるみたい。

自分では動けないし、まずは誰かに見つけてもらわないとね。

ねえさまが見つけてくれないかな。

しかし、いつもは静かだったこの場所もなんかそうぞうしい。

何が起こっているのかな。

「ドドドドドドドドド……」

けたたましい音が響き渡ってきた。

本当にうるさいったらうるさい。

「ボフっ……ガラガラガラガラ」

挙句の果てに建物が崩れ落ちる音がした。

この倉庫も大きく揺れていた。

「ゴン、カラカラ……」

マリーが封印されている兜が床に落ちた。

『痛っ……』

これまで何度も経験しているけど、落とされると何故か痛みが走る。

『何がいったい起きたんだ、もう』

暗闇の中だと何もわからない。

外で何かが起きているのだろうが、知ったことではない。

とにかくここから早く出たい。

物凄い轟音の後は、静けさに包まれていた。

不気味なほどに静かだ。

昨日までは、うるさくないにせよ、誰かが行き来する声や音が聞こえていたはずなのに。

『もしかして、誰もいなくなった?』

『マリーはここに取り残されちゃうの?」

長い間の封印されて、誰とも話が出来ないのはやっぱりつらい。

ねえさまが一番だけど、まずは誰かと喋りたい。

そんなことを考えていると、扉の開く音がして、光が差し込んできた。

そこに立っていたのは一人の男だった。

ブツブツいいながら、装備を一つ一つ丁寧に確認していっている。

耳を当てたり、手で軽く叩いたりしていた。

しばらくすると、マリーのところに来た。

聞こえないかもしれないけど、思いっきり声を出してみた。

『助けてー』

ビックリした様子の男はとっさに手を引いていた。

何かを感じた男は、再度マリーの兜に触ってきたので、ねえさまのことを確認しようと思った。

『……さま……ねぇ……さ……』

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    鬱屈とした雰囲気が街を覆っておるのぅ。なんじゃろうな、この居心地の良さは……たぶんワシらの仲間に近しいやつらが何かしていそうな気がするのぅ。街についたとたんに感じる雰囲気が人の街ではないように感じた。明らかに人ではない何かが支配しているのぅ。もしくは関係しているか……あやつは馬鹿正直に調査調査と言うが、この感じだけでもわかるじゃろうに……ホントに感が悪いのぅ。「なぁ、おぬし。 この雰囲気、感覚からして調査せずともわかるじゃろ。 人が作り出したものと違うぞ」街中の様子を探っているあやつに、ワシが感じたことを伝える。「そうなのか? マリーが聞いた人は税が高いっていっていたから、悪徳領主が何かしらしているんじゃないの?」あやつからは能天気な答えしか返ってこなかった。「それもそれであるじゃろうがのぅ…… それだけではこんなことにはならないとは思うのじゃ」「ゾルダの言うこともわかったから。 とりあえずはまだ街の中の様子を伺っていこうよ」あやつはすごく慎重にことを進めることが多い。そんなに慎重に進めても事は進んでいかなと思うのじゃがのぅ。「……勝手にせい」半ば投げやりにあやつの進め方を容認する。あやつに付いて街の至る所に行ってみたが、どこも人はまばらじゃった。男の人の数は少なくそれも爺さんばかり。逆に女や子供が多かった。店や宿屋も女が切り盛りしている様子じゃった。「なんかすごく男の人が少ないな」「そうだねー。 それに活気もなくて、報告と全然違うねー」小娘の娘も話の違いに戸惑っている様子じゃ。確かに、聞いていた話とは大きく違うのぅ。もっと栄えて活気があってというのが、街に出入りしている一部の人の話じゃったと……でももしかしたら、それが全部偽りということもあり得るのぅ。この感じからすると。「こうなると、聞いていた話が嘘じゃったということではないのかのぅ。 一部しか出入りしておらんということは、そやつらも結託しておるということじゃ」「そうなのかな。 アルゲオが出ていたことも関係しているかもしれないよ。 男の人は討伐に向かったとか」またあやつは呑気な考えをしておるのぅ。「ゾルダの言うことも考えとしてはあるんじゃないかなー 中を見ている人が少ないってことは。 結託しているかどうかはわからないけど、口止

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    ムルデの街が近づいてきた。城塞国家の様相で、一面が高い壁で覆われている。そのためか、中の様子は外からは伺えない。城門も大きな構えをしていて、そこでは関所さながらの入念なチェックが行われていると聞いた。高い城壁には憲兵が配置され、たとえ城壁を登ってもアリの子一匹入らせない厳重な警戒をしているとの話だった。そこまで出入りを徹底していると聞いたため、何か粗相をして入れなかったらどうしようと思うと緊張する。「何をそんなに緊張しておる 入れなくても、そいつらを倒せばいいことじゃ」ゾルダは相変わらず脳筋な考えをしている。たまにはしっかりと考えているときもあるけど、大体強さは正義的な考えだ。「マリーもねえさまの言う通りだと思うわ。 マリーたちを止められるものはないですもの」マリーもゾルダに影響されてか強硬派だ。まぁ、魔族自体がそういうものなのかもしれない。人の常識を当てはめてもとは思うが、でも今は人として行動しているのでなぁ。あまり強引に進んで事を荒立てたくはない。「ゾルダもマリーも頼むから自重してくれ。 なんとか通してもらうようにするからさ」しばらく歩くと、城門の前に辿りついた。門は固く閉じられている。ただそこには憲兵らしき姿は見当たらなかった。「あれー、ここに入門をチェックする人たちがいるはずなのになぁー」フォルトナも辺りを見回すが、本当に誰もいないようだ。「本当に誰もいないようだな。 勝手に入っていいんだろうか……」大きな城門の脇にある出入り用の扉を開くかどうか確認してみる。「ギィー……」鍵などはかかっておらず開いているようだ。「入れるようだねー」フォルトナは周りをさらに確認しているが、人の気配はなかったようだ。普段なら城壁の上にいる憲兵たちも見当たらないようだ。「誰もいないのであれば、入っていいのじゃろぅ さっさといくぞ」ゾルダは出入り用の扉を開けてズカズカと中に入っていく。「ちょっと待てって 普段と違うってことは何かあったってことだろ」そう言って、ゾルダを止めようとするが、お構いなしだ。どんどんと先に行ってしまう。マリーもそれについてさっさとついていく。俺とフォルトナは慎重に周りを確認しながら、恐る恐る扉の中へ入っていった。分厚い城壁の中を潜り抜け、街の中へ出ると……そこはよどんだ空気が

  • モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている   第50話 ムルデの街へ ~フォルトナサイド~

    目の前に大きな氷のドラゴンが出てきたと思ったらさー。マリーがしゃしゃり出て、倒そうとしたけど、倒せなくてー。アグリが助けに入って、苦戦しているな―と思ったら……なんか剣とか兜が光りだしてー。光ったなーと思ったら、ドラゴンが真っ二つに割れていたんだけどー。というのがここ最近の流れなんだけど……「ボクの出番がほぼないってどういうこと?」確かに戦いには参加してなかったけどさ。「出番ってどういうことかな。 そういうメタい話は、欄外でやってよ」アグリがなんか言ってきたけど……「何、その『メタい』って言葉! 何言っているかわからないし」分からない言葉を聞いてさらにいらつく。もっとわかりやすく話してくれないかなー。「ごめんごめん。 出番というか、あのドラゴン相手だとフォルトナが戦うのは難しいし、 後ろで控えていたので正解なんじゃないかな」そう言われるとそうだけどさ。ボクに何も出来ることはあの場ではなかったのは確かだけどねー。「ムルデの街までの案内はよろしく頼むよ。 その辺りの情報は持っているんだろ?」アグリはボクを道案内としか思っていないのかな。確かにムルデまでの道のりの情報は母さんに聞いているからわかっているけどさー。「ボクは道案内だけじゃなくて、もっと他にも頑張れるんだから。 そっちも頼ってほしいなー」ちょっと気持ちが収まらないのでグチグチと文句を言う。アグリは苦笑いしながら「頼るところはきちんと頼るから。 機嫌直してくれ」とボクのご機嫌を取りに来た。まぁ、そこまで言うなら、仕方ないなー。「わかったよ。 ちゃんとボクにも役割ちょーだいね」そうアグリに言うと、先頭にたちムルデの街の方へ向かっていく。アグリは慌てた様子で、ボクの隣に並んできた。ゾルダとマリーは、後ろについてくるようだ。マリーは相変わらずゾルダにベッタリしているなー。「そう言えば、ムルデの街というのはどんなところなの?」アグリがこの後向かうムルデの話をしてきた。「ボクが聞いている話だと、なんかとても栄えていて、 人も温厚で、活気があるって聞いてるよ」「へぇ、そうなんだ」アグリはうなずきながらボクの話を聞いてくれた。「ただ、一部の商人や役人以外は、ムルデの街への出入りは出来ない状態なんだ。 街の人たちも、居心地がいいのか、誰一

  • モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている   第49話 目覚めし力は…… ~アグリサイド~

    「危ない!」思わず声を出し、体が反応してしまった。気づけばマリーの前に立ち、氷壁の飛竜の攻撃を受け止めていた。マリーはあっけにとられた顔をしている。「うりゃーーーー」さすがにアルゲオの攻撃は重たい。なんとか受け止めて弾き返したが、まだ手がジンジンとする。さて、この後どうするかな……マリーの力はたぶんもっと凄いのだろう。俺よりか遥かに。ただ前にゾルダもそうだったけど、何かしらが原因で力を出し切れない状態なのだろう。力を取り戻せるようになるまでは、俺もサポートしないと。ゾルダに一喝されたマリーはゾルダの下へと走っていった。涙がこぼれていたようだけど、力が出せないことがよっぽど堪えたのだろう。考えなしにアルゲオの前に立ったけど、どうしたものかな。さっきの感じだと、攻撃はなんとか受け止められそうだけど……俺の力でアルゲオは倒せるだろうか……手伝わせてよと見得を切った手前、やり切らないとな。思わず苦笑いになる。「おぬし、そいつを倒せるのか? ワシはいつでも準備万端じゃぞ」ゾルダはニヤリと笑いながら俺に言った。「やるだけやってみるさ」そう言うと俺は剣を構えて、アルゲオに向かっていった。「グォッーーーーーー」再び吠えるアルゲオ。そして翼を振り切ってきた。「ガーン」重い一手が剣を捉える。「ぐはっ」さっきも受けたけどかなり重いな。アルゲオの重みが一気に乗っかってくる。さらにアルゲオが攻撃をしかけてくる。翼をやみくもに振り回してくるが、すべて剣で受け止める。手数が多くてなかなかこちらからは攻撃が仕掛けられない。「大丈夫か、おぬし 受けてるだけでは倒せんぞ」マリーを抱きしめながら、俺に対しては煽りをいれるゾルダ。そんなことは俺でもわかっている。でも受けるので手いっぱいで、反撃が出来ない。「言われなくてもわかっているよ」前の俺なら、この攻撃も受け止められなかったのかもしれないが、なんとか受け止められている。そういう意味では成長出来ていると実感が出来る。でもここでは、もう一歩先、反撃できる力が欲しい。直接のダメージはないもののジリジリと追い詰められていく。やっぱり俺ではダメなのか。もっともっと強くならないと……力が、力が欲しい……そう強く願う。その時だった。剣と身に着けている兜が光だし共鳴を

  • モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている   第48話 氷壁の飛竜 ~マリーサイド~

    「なんだ! あの大きいドラゴンは?」あいつが大きな声を出す。そんなに大きな声を出さなくても見ればわかるわ。「あいつは確か、アルゲオという氷属性のドラゴンじゃったかな。 氷壁の飛竜とも言われとるはずじゃ」ねえさま、さすがいろいろ知ってらっしゃる。「ボクも名前だけは聞いたことあるけど、実際に見るのは初めてだねー」フォルトナはずいぶん呑気に構えていますわね。「グォーーーーーー」氷壁の飛竜アルゲオが一吠えすると、猛吹雪がマリーたちに向かってくる。風雪に耐えながら、みんなが戦闘態勢を整え始める。特にねえさまからは闘志がみなぎって見えるわ。「さてと…… ワシの出番じゃのぅ」ねえさまが一歩前へ出るところにマリーが割って入ります。「ねえさま、ここはマリーに任せてほしいの」やる気まんまんのねえさまだけど、マリーもいいところ見せたいし。今回はねえさまには悪いけど、マリーに戦わせてほしいわ。「ん? なんじゃ、マリー。 お前がやるというのか……」ちょっと怪訝そうな口調でねえさまがマリーを見てきた。「ねぇ、お願い、ねえさま。 せっかく助けてもらったのだから、少しは役に立ちたいわ」ねえさまが戦いたいのはわかるけど、任せてばかりでは立つ瀬がないわ。ここは是非にでもやらせてほしいという思いもあり、今回は一歩も引かないつもり。「うーん。 仕方ないのぅ。 マリーに任せよう」マリーの覚悟を受け取ってもらえたみたいで良かったわ。ねえさまにいいところを見せないとね。「ねえさま、ありがとう」ねえさまの胸に飛び込んでお礼を言うと、氷壁の飛竜の前へと向かった。「なぁ、ゾルダ、マリーに任せて大丈夫なのか?」あいつが、何か心配をしているようだけど、これぐらいの敵、マリーは大丈夫。「まぁ、本来の力を出せれば、問題なかろう」ねえさまはさすがわかってらっしゃるわ。安心してマリーに任せてね。「さぁ、氷だらけのドラゴンさん。 マリーが相手しますわ。 かかってらっしゃい」氷壁の飛竜がマリーの方を向くと、また一吠えする。「ガォーーーーーー」そんな遠吠えを何度しても無駄ですわ。荒れ狂う竜巻のような風雪がマリーの方に来たけど、一向に気にしないわ。「それだけしか能がないの? このドラゴンさんは。 それ以外してこないなら、こちらから行くわよ」た

  • モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている   第47話 荒れた天気の正体は…… ~ソフィアサイド~

    しかし、人というのは面倒じゃのぅ。いろいろ頼んだり頼まれたり。己の事だけやっておればそれでいいのではないか。あやつがいろいろと頼まれておるのを見ていると、そう感じたりするのじゃが……「のぅ、おぬし。 大変じゃのぅ。 いろいろと厄介ごとを引き受けて。 ワシじゃったらそんなこと聞かんがのぅ」次の目的地に向かう道すがら、あやつに問う。「そもそもそれが俺がここに呼び出された理由でもあるし…… 確かに何でもかんでもとは思うことはあるけど、 困っている人は放っておけないよ」あやつもあやつなりに考えるところはあるようじゃな。それでも引き受けておるところをみると、人がいいのじゃろぅ。それか、よっぽどのバカじゃ。「まぁ、ワシはゼドをぶっ潰せればいいし、 強い奴らとも相まみえることが出来ればいいんじゃがのぅ」長い間外に出れなかったのもあって、ゆっくりと外の世界を満喫したいとは思う。そうは思うのじゃが……「とはいえ、早くゼドをぶっ潰したいので、先を急がんかのぅ」とあやつを急かしてみる。しかし、あやつは、「急いで行ったら、俺が死ぬよ。 確かにゾルダは強いけど、俺はそんなに急に強くはなれないし、死んだら困るのはゾルダだろ」と正論を言ってくる。おぬしが弱いのはわかりきっておる。だから鍛えてきたのじゃが……確かにゼドたちと戦うには、まだ足りんやもしれぬ。ただ出会った頃に比べたら格段には成長しておるがのぅ。「わかった、わかった。 おぬしに死なれては、また剣の中じゃ。 おぬしのペースでいいのじゃが、ワシら気持ちもわかってくれ」急いても仕方ないので、しばらくはおぬしに付き合っていくしかあるまい。ゼドのところに行くまではのんびり構えておくかのぅ。そんな話をしながら、ワシらは砂漠を超えて、問題の山のふもとに到着した。「なんだか急に寒くなってきましたわ。 ねえさま、寒いですわ」マリーの奴はそう言うとワシにぴったりとくっついてくる。「今まで暑かったのになー 急に天気が変わり過ぎだよー」小娘の娘も寒さに震えだしてきたようだ。山頂の方を眺めると、雲で覆われて何も見えないのぅ。少し上の方を見ると一面が白く覆われておる。「いつもはこんな天気じゃないのかな。 これが異常気象ってやつなのかな」あやつも山を眺めながらそう言っておった

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